ビザ・ワールドワイド・ジャパンの戦略とプロジェクト報告
ビザ社の3つの注力領域
ビザ・ワールドワイド・ジャパンは、従来から、戦略的な柱として「市場の形成」「生活をより豊かに」「未来を見据えビジネスをサポート」という3つの注力領域を明らかにしており、内容は変わらない。現在、「市場の形成」では、タッチ決済の普及に取り組んでおり、タッチ決済対応カードは過去2年で1.6倍に成長している。
タッチ決済の普及
タッチ決済の普及率は45%に拡大し、2023年の25%から大幅に伸びている。特に、「日常利用」「非日常利用」の両方の加盟店でタッチ決済が拡大しており、公共交通機関でも全国で導入が進んでいる。この動きにより、決済業界全体にプラスの効果がもたらされている。
中小企業への支援
中小企業の加盟店を増やすことがまだ課題であるが、中小企業向けのプログラムを強化していく方針。ビザ社はエコシステムに積極的な参加を促し、ユーザー体験の向上や業務効率化を通じて売り上げ増加につなげようとしている。
モバイル中心のタッチ決済
今後はプラスチックカードではなく、モバイル中心での利用を促進。スマートフォンの普及率などを考慮し、モバイル端末を使ったタッチ決済に注力していく計画。
「トークン」導入での高度化
国内Visa取引における「トークン」(VTS)の導入と普及で決済サービスの高度化が図られる。トークン化により、セキュリティの向上や利便性の改善を期待。トークンの導入を積極的に推進する方針で、トークン化はユーザー体験の標準化にも役立つ。
Click to Pay
Visaのトークンに対応することでECサイトでの利用が可能になる「Click to Pay」の展開が2025年に予定されており、決済プロセスの簡素化や安全性の向上が期待される。
大阪エリア振興プロジェクト
大阪エリアでは、Visaのタッチ決済の認知率が高く、利用件数も全国平均を上回っている。自治体ごとにプロモーションを実施する取り組みは全国に広がる方針で、大阪を起点に経済の活性化を目指す。
アダルトコンテンツの制限
昨今、アダルトコンテンツの販売サイトではVisaが利用できない措置が取られているが、これは「ブランドを守るため」の必要な判断であり、ユーザーへの誠実さと完全性を重視した結果として実施された一時措置として位置付けられている。