自由脅かす指導者、今も
バラを壁の隙間に
参加者たちは、あらゆる壁を崩していくという思いを込め、コンクリートの壁の隙間に**赤や黄色**のバラをさした。独裁政権下の旧東独から西ベルリンに逃げ、東側で抑圧された人々の亡命を助けたという、**ハルトムント・リヒター**さん(76)は「壁の崩壊で我々は自由を得た。世界では人々の自由を脅かす指導者は今もいる。彼らには任せてはおけない」と訴えた。
歴史的背景
ベルリンの壁は1961年、旧東独政権が市民の西側への亡命阻止などのために建設。89年11月9日、政権の旅行自由化措置の発表を受け、市民が検問所に詰めかけてゲートが開かれ、壁は壊された。翌12月の米ソの冷戦終結、91年のソ連解体へとつながった。(ベルリン=寺西和男)