生きたこと:昭和の将棋界に輝く個性派・無頼派の棋士
芹沢博文九段の多彩な人生
昭和の将棋界には個性豊かで荒くれ者の棋士が多数存在しました。その中で、生涯51年という短い生涯を過ごした「棋士になった天才少年」として知られる芹沢博文九段の素顔について、田丸昇九段が見た姿を紹介します。
若手時代から名人候補として期待されながらも、酒やギャンブルに溺れて生活が乱れ、タイトルを手にすることは叶いませんでした。しかし、文化的な素養や読書への愛情を持ち、将棋番組の解説や観戦記、洒脱なエッセーの執筆、バラエティー番組や映画への出演など、多岐にわたる活動を展開した異色の棋士でした。
彼の人生は著書や関連記事に基づき、「俊英編」「多芸編」「酒仙編」と題され、それぞれの側面を深く追求しています。
俊英編:天才としての青春時代
芹沢博文九段は静岡県沼津で天才少年として知られ、奨励会時代の自由な日々、四期連続での昇級とA級トップへの躍進、小学生時代の後輩である中原誠(後の十六世名人)を育てた功績、そして名人の夢を断念せざるを得なかった経緯などを紹介します。
芹沢九段は将棋界に多大な影響を及ぼした偉大な棋士であり、その短命ながらも充実した生涯は後世に語り継がれることでしょう。